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■2006年3月27日(月) Vol.80

その男は、麻雀はさほど好きでもなかった。 その男は、雀鬼会の中でも、麻雀はそれほど強くもなかった。 その男は、日々にそれほどのゆとりや暇がある訳でもなかった。 道場経験が長いわりには(13年)、 麻雀における技術も力量もさほど伸びず、
「どうよ?」
とたずねれば、
「自信はありません」
と答えが返って来るであろう。 それでも頑張っていれば、何時かは「花が咲く」とは 本人も周りも思っていなかった。
雀鬼会も雀鬼流という思考も行動も、 「牌の音」という麻雀道場も、 俺一人がいただけじゃ何も始まらない。 道場を護ってくれる道場生があってこそ、今までやって来れた。
雀鬼会では一週間で100回麻雀を打つことを「鬼打ち」という。 「鬼打ち」と呼ばれるだけに それを達成することは、時間的にもけっこう厳しい。 たまに、一回だけでも「鬼打ち」に挑戦した者は、 苦しかったと言う。
その男は、その厳しさを、 二年半にわたる本戦五期の期間を、 83週連続の凄まじい鬼打ち記録を残して 「終った!!」。 寝ることや、自分の時間を犠牲にし、健康も管理しながら 千日苦行の修行僧のような姿をしているのを、度々見かけた。 その期間、
「今度は無理、今週で終る」
という時が何回もその男に押し寄せたことだろう。 そんな苦行をして
「彼は何を得たのだろう?」
そんなことをして
「無くしたり捨てたものの方が多かったはずだ」
彼が無くした分量だけ、俺や道場生達が多くのものを頂戴した。 得ること捨てることがこの世の常ではあるが、 その男と俺との関係は、深く思えば「不条理」である。 その男は、その修行を一人終えた後、体を壊して数日寝込んだという。 すまんことです。 その男は、その長き修行中、 目標、継続、連続性の大切さを示してくれた。 それもやったからといって 凄さは見せつけてくれたが、 彼には何の得も起こっていない。 これからも先もそうかも知れない・・・。
御疲れ様では軽過ぎる。
その男、名を「花岡正明」という。
こんな男が雀鬼会に存在したことだけは事実である。
                 雀鬼



雀鬼会本戦の花岡と会長。

■2006年3月26日(日) Vol.79

日曜日。 今、昼の一時過ぎです。 あたりはもう桜が咲き始めて、花見の季節です。
雀鬼会では、今日町田で今期のJrリーグの選手を決める 雀鬼会Jrリーグ予選が行なわれます。 当然、早く来て打ち込んでいる選手もいます。 今日の結果次第で、それぞれの今期の立場が決定します。
当否は当然麻雀の点数だけでは、決まりません。 ここまでの行動、信頼度、基本動作、今日のポイントetc… 全てを加味した上で、会長や選抜選手の判断で、 Jr選手になれるかどうかが決まります。 麻雀の内容的には、会長はもちろんですが、 僕らから見ても、乱れたり、壊れたりする者も 結構出るでしょう。 僕らはJr選手には、そんなに多くを求めません。
「いかに若者らしく元気にまっすぐ打ててるか?」
「どれだけ卓上に良いものを出せたか?」

同じペナルティでも、 迷いやずるさから犯してしまったペナルティと、 まっすぐ一生懸命打とうとした結果、 犯してしまったペナルティ、 上家が乱れたため、つまづいてしまったペナルティなど、 それぞれ、全然意味が違います。 また、それを的確に判断するために、 審判の力も大きく影響してきます。
審判は五人目の選手であり、 舟の船頭や舵取りのような存在です。 卓上が乱れ、流れとかリズムから大きく離れてしまうと、 舟は沈没してしまいますからね。 そんな時、舵を取って本来の流れに 少しでも戻すように、指導するのが審判です。 そうは言っても、面子やその人の状態、心情は、 その時々で変わっていきますから、 これを的確に判断し、正しい方へ導くのは 並大抵の事ではありません。 選手と審判の信頼関係も大きく影響しますからね。
どれだけ、自分以外の人に関心を持ち、気付き、 行動していくかというのは、 麻雀に限らず、雀鬼流では基本中の基本です。
麻雀は一人じゃ出来ないし、 日々の生活だって一人じゃ生きていけない。 自分をしっかりさせる事は、全体をしっかりさせる事に通じる。 そんな当たり前の事を、すぐ忘れて、私に還って 俺の人生は俺のもの、みたいになることの、 冷たさと恐さを僕らは日々教えていただいてます。
必要なのはいつだって「素直と勇気」。 これも子供の頃から知ってる、当たり前の言葉ですね。
今日のJr予選、 少しでも、男の子らしく、しっかりと元気さを持って卓に向かう 仲間の姿を見たいと思っています。 雀鬼流は男の道ですから。
「温・破・立」
もう、僕らは十分温めて貰って来た。 そろそろ殻を破って、 自分の力で立つ時期です。
                 安田潤司



■2006年3月25日(土) Vol.78

WBCが終った夜、久し振りに寝ちゃった。
日本国中、世界野球優勝で盛り上っている。 そんなことは知ったことじゃない。 ただの好成績、勝利に浮かれている連中とは、 悪いけんど、共通点がない。 終ったあくる日は、その様子をちらっと、うかがっただけ。 スポーツ新聞にもろくに目を通してない。 国民達の馬鹿騒ぎに、勝つと集る、金にむらがっている感じが、 嫌らしく感じてしまう。
イチロー先生に思う。 小泉首相とか政治家や財界人とは、逢うことを拒否して欲しい。 あの巨人の大物が、
「たかが選手」
という言葉を発した。 今や、イチロー君は、国民的ヒーローである。 国民のヒーローが、
「たかが政財界」
を牛耳る連中なんぞ、相手にしなくとも良い。
王監督とイチロー選手は、 野球という現場の職人であり続けて来られた。 本物の職人さんは、
「大名が大金を積んでも嫌らしい仕事は受けないが、  気に入れば、金が入らなくとも動く」
これからの野球人生は、真の野球人として、 子供達や若い人達だけに、正しい指導を教えてやって欲しいものだ。
今日びのスポーツ界全体は、商業主義が強く、 政治にも利用されている。 私のもとへやって来る高校野球の指導者に、 正しさや清さは感じ取れない。 むしろ内面に隠された、ずるさや、したたかさを見て取る。
「何かがあるから頑張る」
というより、
「何かを真剣にやったら、何かが生れた」
という経過の大切さを学び、良い結果を生むということが、 今回のWBCの王ジャパンであり、 それを選手達が見せてくれたからこそ、 イチローさん、皆が感動したんだよね。 勝つがために、卑怯なこと、いやしいこと、恥ずかしいことを入れない。 毒素を調味料にして勝つからこそ、
「勝ちの中に正義がない」
という俺の理論が出来てしまう。 今回の勝利にはそういう意味で毒が入ってない。 珍しい良い勝利を見せて頂きました。
  それにしても、キューバという国の選手達は何かを持っていたよな。 アメリカに近い国でありながら、カストロという強い指導者が存在して、 真正面から大国に小国が、政治的にも自立している。 日本の優勝の裏で、野球大国を越えた準優勝も、 俺の望み通り。
フランスでは、政治に対する反対デモで、 若者達が大挙して立ち上っている。 日本の若者達も、豊かさの中の
「肥の中で」
肥満化せずに、 悪いと思うことに流されずに、 立ち上り、立ち向かって欲しいものです。
それにしても、俺の、
「イチローを見たくなったよ」
という言葉で、 日本で行なわれた、予選3試合の、 イチローさんのすぐそばのチケットを三日間分抑えてくれた、 清水君には感謝しております。
               雀鬼
                  



■2006年3月24日(金) Vol.77

いやー、良い天気です。 こんな日は室内で仕事やる気まったくしないですね。 パソコンに向かって、ホームページの更新なんてもっての他です(笑)。
下北道場に電話したら、道場長の村瀬が出て、 いま80歳近いお母さん二人と体験卓を打ってるそうです。 このお母さんたちは週に一回位、昼間に遊びに来てくれます。
「懐かしいわねぇ…若い頃は毎日のように打ってたのよ〜  家族と満州でねえ〜」
「へぇ〜満州ですか。あ、お母さん、  捨て牌は六枚づつ切りましょうか。  みんなが見やすいですから」
「ああ、そうね。そういうこと教えて頂けるのが嬉しいわねえ、  満州では誰も教えてくれなかったのよ〜」
「はい、お母さん、親番ですよ、サイコロ振ってくださいね」
「え、出番?あたしの出番なの?」
「…うん、そう、そうです!お母さんの出番です!ホラ、行けぇー!」
「いいわねえ、若い人は元気で」
「あ、あざぁーす!!  ホラ、ポン!それもポンだー!」

どんな状況でも「楽しむ」という村瀬の力強さが爆裂です(笑)。 更に村瀬は、自分の手牌をお母さんの目を盗んで、 自分の前にある山にサッと隠し、
「お母さん、ちょっと見てください」
「なぁに?アラッ、あなたの手牌無いじゃないの?」
「そう…これは次にツモッて来た牌は何でも和了れる  無限草原という役です」
「あらあ、そんな役があるの?知らなかったわあ〜」

当然ありません(笑)。 村瀬のでまかせです。 が、村瀬が次にツモッた牌は たまたま村瀬の待ち牌でした。 村瀬はツモッて来た牌を叩き付け、 渋い声で言いました。
「ツモ…無限草原、6000・12000です…」
本当は2000点の手です。 なぜ「無限草原」という名で、 なぜ24000点になるかは、まったく不明です。 が、お母さんもさすがに満州帰り、 これをさらりと受け流します。
「あららら、すっごい。  私も和了りたいわぁ〜、有限無限」
「無限草原です、お母さん」
「そうそう有限無限ね」
「いや、有限無限はお母さんのオリジナル技にしてください」
「はいはい、アラッ、今度はあたしの出番かしら?」
「はい…そう…ハイ!お母さんの出番です!  さあ、行ってみよー!オラオラオラーッ!」

当然、こんな感じですから、 半荘一回一時間はゆうに掛かります。 さすが雀鬼流本部道場の麻雀、 とても優雅です(笑)。
どんなお客様にも楽しんでいただき、 更に自分までも楽しんでしまう。 そんな村瀬道場長に、 「雀鬼流の真髄」を見せてもらった気がします(笑)。 僕は道場のこういう光景も大好きです。
とても明後日に Jr予選を控えているとは思えない雰囲気の 牌の音の昼下がり。
季節はもう完全に春です。
               安田潤司


今日も無茶苦茶元気な、村瀬道場長。

■2006年3月23日(水) Vol.76

淋しい話の後は、怒っている話(笑) 何、それって、お前さんこそ心の病じゃねぇんですかと お思いでしょうが、 怒ってるんだから仕方がない(笑)
下北道場のイベントは二時からだったが、 俺はその頃我が家で WBCの日本対キューバ戦を「確認していた」。 世界一決定戦という野球の試合には、 それほどの興味が最初からなかったが、 俺も勝負師のはしくれとして 今回のWBCの試合は野球の試合というより 勝負師的感覚が動いて、 観客も少なかった日本対中国戦を外野で見て 目の前で勝負師の練習する姿を、しかと確認した。
今も昔も野球選手はごまんといたが、 俺の目で見る限りグラウンドでの勝負師は、 王監督とイチロー選手だけ。 極論かもしれんが、他の人達はたんなる野球選手。 今回だけは老いたる勝負師として、 心を御両人に重ねてしまってた。
人の評価は多種多様であろうが、 日本の野球界では最強のバッターである王さんは、 国籍が台湾ということか、何時だって長嶋さんの下に置かれ、 イチロー選手にしても 巨人軍や人気を作られた選手の嗅げにあった。 そういう評価を作り出す巨大メディアに対して 俺は納得がいかんし、不満を持っていた。 日本球界も大きくなれば、 その舞台裏には、政治経済メディアという 巨大な力がうごめくことは、必然だろうが、 彼等に対する評価を見落として作り出していた。
王監督には、台湾の王一族の誇り高い血が流れ、 家族愛がチーム愛となり、 彼に凄まじいグランド上の記録を作り続けていたし、 その王監督ですら、 同じチームで強大な米国圏のチームと 闘うために戻って来たイチローを「筋が通った男」と認めた。 王監督は自分の心の中にある言動一致は イチロー選手の中で重なり 今の日本選手じゃ、どう転んでも米国圏のチームにゃ勝てまいとする 野球界の舞台裏の冷めた動きの中で、 真の男の心と心が重なり、 互いが信頼を作ったことであろう。
この御両人の目の確かさと、互いの信頼関係が みごとに他の選手達にも伝わり、 やっても無駄な状況から、 やればどうにかなるに変わり、 弱小軍団であったはずの日本チームは 世界で一番強い絆で結ばれていった。
親である辛い立場の王監督と 貧しいかもしれないが、とにかく明るく、元気よく グランドを走り回ろうとする子供達の選手達が 互いに大きな喜びと感動、感激、感謝の三要素を生み 世界一の勝利を得た。
米国主導、米国のために作られたWBCが審判の誤審判定や、 対戦方式や全てが米国に都合よく作られていた。 そういう立場からしても、 王監督率いる日本チームは 前門の虎、後門に狼のような 不遇の中で試合を続けていたのだから、 その立場の苦しさを感じた。 俺も野球うんぬんというより、王監督とイチローが作ったチームを 勝たしたくなる気持ちが強くなっていた。
オリンピック種目からはずされ、 日本球界も巨人軍の落日振りの中、 立ち上がらねばならなかった王監督と、 そのピンチに帰国して来たイチローは、 先ず自らのチームを立ち直し、作り上げて行った。
日本で行われた開幕戦の淋しさこそ、今の日本球界の現状を表し、 イチローが守るライト側の外野以外は観客もいなかったのだから 野球界も、国民も彼等を見捨てた所にあった。 だが、弱小軍団が努力と工夫で勝利を重ねていくと テレビの視聴率が50%を越える馬鹿騒ぎになり、 日本中がWBCで湧き上がるが、俺は、 何を今さら、皆さんやっぱりお馬鹿さんじゃねぇの、と 結構冷めた気持ちにさせられていた。
勝負の行方は俺の中では、日本韓国というアジア勢と シロウト最強軍団であるというキューバが勝ち上がることを 前回のホームページ上でも書いていたし 「我れ悪党なり」の原稿の中でも強く初期の頃から訴えていた。
決勝は、俺の望み通りの日本対キューバ戦となり、 これだけで自分の強い勝負気が伝わったようで嬉しくなっていた。 その日までどういう訳か 俺に眠たさがやって来ず、 横にはなっていたが 韓国戦の前日以来寝ていなかった。
30年も前にはそういう体験があったが、 久し振りの三日だか四日だかの徹夜。 家に居ても何時も起きている俺に向かって
「お父さん、外で寝て帰って来るの?」
と問われるが、寝たかねぇもんは仕方がない。 それに対して返答する変わりに 今日の決勝を見て言う。
「8点」
という数字が見える。
野球批評家とかスポーツ解説者は、 2対1くらいのことを皆さんお話しされているけんど、 とにかくどっちかのチームが8点を取り、 その点を先に取った方が勝つから見ておけと 野球を良く知らない俺が前発表してしまう。 そして、日本が先に8点を取ったところで 俺の中では日本の勝利を確信した。
何んか今回のWBCに限っては、イチローさんが出るという所から 俺の心と体が動いてしまって止まらない、寝れない。 日本は確かに勝ち、嬉しいのだが、 その勝利した瞬間から、 その日一日俺は怒りの中に突入してしまっていた。 何がどうして俺を怒りの方に押し込んだのか分からないが、 俺は怒っていた。
イチローが先頭打者ホームランを打った時より 俺の中では米国戦の理不尽の敗北の際、 引き上げる選手の中でたった一人ベンチに座り、 グランドをにらみつけて立たなかった時のイチローの姿、 無念さが強く脳裏に焼きついていた。 冷たさや納得いかない状況に置かれても、 じっと辛抱を貫いていた王監督の姿もダブる。 結果、彼らも最高の感動を受けたが、 ここまで来るまでの彼等の屈辱感や無念さの方に 俺の心が傾いていたのだろう。
王監督、イチローを始めとしての日本チームに 野球を通して何かの真実を教わったような気持である。 彼等もWBCが終わればすぐに公式戦がある。 それを犠牲にしてまでも、WBC出場選手達全員は、 一致団結し、一体感となって闘い、 今年の公式戦の優勝以上の野球を見せてくれたのだから、 残りの試合は休場にして、 毎日温泉でもつかっていても誰も文句は言うまい。
あのイチローが、
「20年間の野球人生で最高のチームだった」
と言わしめたのだから、こんな正しく正直な答えはない。 王監督もイチローさんと伴々、いやらしい政治家どもが又、 国民栄誉賞とか授けるなんてぬかすんだろうけど そんなものはピシッと受け取らないことを願う。
来年巨人軍に迎えられても、 あそこは今や貴方のような立派な男が帰るとこでもない。 年俸も低い若い選手たちは、王監督のもと、イチロー先生とともに 戦い学べたことは確実に宝のような日々となったことでしょう。
「金が夢」
試合は年俸できまらないということも 野球少年には新たに学びとって欲しい。 正しいことも美しいこともある。 それを求めるのが夢であるのかも知れないことを、学ばなければ なんのためにスポーツを売りにしているのか わからなくなってしまう。
勝ち負けの中に正しさを求めた日本チームは 今回だけはかっこ良かったな。 王監督も背番号が1番。 イチローも1番打者。 彼等が一番最初に強くあり、 正しくあれをやってくれた。
二番煎じを考えているもの、 彼等をねたみ、うらやむ業界人の人達、 汚いことだからやめとけよ。 次はないんだよ。
                    雀鬼




■2006年3月22日(火) Vol.75

さてさて、2日間に渡る「雀鬼・雀鬼会と一般の方の交流会」が 盛況のうちに無事終了しました。 参加して下さった皆さん、会長を始めとする選手たち、 本当にお疲れ様でしたm(__)m
二回目の昨日は、下北沢本部道場でのイベント。 麻雀をまったく知らない人も四人いて、 手の作り方から指導、 経験のある方たちは、雀鬼会選手と同卓して、 後ろで選手が教えるという形を取りました。 会長は日本対キューバの野球を、 「勝負」として見ておられたので、 やや遅れて道場に来ました。 なぜ、野球を見ることが「勝負」なのかは、 いずれ会長がこのコーナーで書いてくださるでしょうから ここでは、触れないことにしますね。
実は会長は昨日で不眠4日目でして、 イベントが終った帰り道でも、
「全然、眠くならねえんだよ。  なんか現役時代を思い出すよ、なあ安田」
「はい、そうなんでしょうね…」
「俺は今日も眠らねえぞ、コノヤロー」
「会長、もう勝負は終ったんじゃ…」
「知らねえよ」

と、勝負熱が収まらない様子でした。
ともあれ、そんな会長の状態で始まった交流会。 一般の参加者の方が気付いたかどうかは知らないけど、 昨日の会長は久々に、「勝負師」の感性が少し表に出ていて、 会長が道場に来られたとき、 正直、僕は、ちょっと緊張してました(笑)。
会長が来てからは、一人一人が自己紹介。 それぞれが会長や雀鬼流との出会いなんかを 話してくれました。
「僕は欝病で今は随分直ったんですけど、  生きてるのか死んでるのか  良く分からなくなるんです」
昨日のレポートに会長が書かれているように 町田のイベントに比べると、 心に病を持った人が結構いて、 分かってはいたけど、 今の世の中に改めて危機感を感じましたね。
僕は今、ことあるごとに道場生たちに、
「とにかく明るく元気にやろう」
と、言い続け、自分でもそれを実践しています。 今の時代はちょっと気を抜くと 知らないうちに、ヤバイ方に心を持って行かれる感じがして、 今まで大丈夫だった人でも 結構、ちょっとしたことに つかまりやすくなってる気がします。 自分の心に影があれば、それが増幅されるし、 良い波動があれば、それも増幅される。 同じ増えていくなら、 良い波動の方がいいよね。
「明るさ」、「元気良さ」、 そして「体を動かすこと」は、 そういったネガティブな波動に打ち勝つ、 大切な武器になると確信しています。 とにかく明るくポジティブに、 その場の乗りを大切にしたいと思います。 男の子ならね。
もちろん来てくださった人の中には、 ちゃんとやれば、麻雀も伸びそうな子や、 一緒にやっていきたいなと思わせてくれる若い人もいて、 また、どういう形であれ、 定期的に交流会を開いていこうと思いました。
中でも、紅一点の19歳、会長ファンの早紀ちゃんは、 陸上競技のトップレベルで闘い続けていただけあって、 参加者の中で一番健康的に感じました。
体を動かすことって本当に大切です。 頭だけ使ってばっかりって、 本当に不健康だよね。 どんなに長い事運動していても、 それを止めて頭を使い続ければ、 すぐに病気なれるし。
まずは太陽を浴びよう。 暖かくなって来たから、表に出よう。 体を動かして、色々なことを感じよう。 行動できない理由はすべていい訳で、 自分で選んで来たもの。 もう、考える時間は十分にあっただろうから、 そろそろ動き出そう。 焦らなくてもいいから、急いでね。
じゃないと、間に合わないよ。
                  安田潤司



■2006年3月21日(火) Vol.74

先日、町田道場に於いて、 HP上で呼びかけた新しい人達へのイベントを終え、 今日は下北道場で同様なイベントがあった。
俺的には本心を述べれば
「若くて元気で明るい子」
を望んでいる。 自分自身も日々をそうありたくて生きて来たし 我が子にも道場生等にも、 多くの時間を俺と伴に過すのだから 何を望むといえば、
「元気で明るく楽しい」
関係でいられることを求める。 それが可能であることが、幸せであることも分かっている、が、
「そうは問屋はおろさない」
「期待に棲む病理」
である。
声を掛けたことで、勇気をもってやって来た人達には、 それはそれでありがたいことだが 麻雀道場が格闘技道場に変わるのなら御の字だが 道場がホスピタル化してしまう。 それも
「心の病院」
に変わってしまう。 俺は麻雀や男らしさぐらいなら、 多少なりとも教えることが出来るが 決して心の病いの先生ではありません。
これもそれも俺がまいた種。 雀鬼流の運命なのかも知れないが、 真実、俺自身もまわりの人達にも 明るく元気で楽しい日々を願ってしまう。 俺の子供の頃。 貧しかった頃は、明るく元気のある子供等が多かった。 豊かになったはずの今の日本は 明るさを失った「心の病」を持った人達の増加が 急激に進んでいる。 心の病、感情の破壊が 自然界の破壊と伴にやって来てしまった。
いいのかよ。 良かねえよな、こういう流れは。 その良かない流れは、 決して止まることも直すこともなく、 このままどんどんどんどん進み、 拡がって行き、 病める日本人が多勢をしめる国家に なって行くんだろうなぁー。
                雀鬼



イベントに参加した全員で。

■2006年3月20日(月) Vol.73

おはようございます、安田です。 昨日はこのサイトで告知した「雀鬼会と一般の方との交流会」が 町田道場で開催されました。 久々のイベントという事で、町田には会長を始め、 雀鬼会のほとんどの選手が集まり、道場は人だらけ。 一般の方も10人くらい参加してくださり、 イベントは始まりました。
全8卓中、6卓を使っての「順位戦」形式。 順位戦というのは、一番打てる面子を1卓〜6卓まで順に並べ、 勝った人は上の卓に行き、 負けた人は下の卓に落ちていくサバイバル形式。 で、残りの2卓で一般の方に打って頂き、 選手たちがその人のレベルに合わせて指導。 そこで、ある程度打てた人には順位戦に参加してもらい、 雀鬼会選手たちと腕試し(笑)。 もちろん会長からの基本動作なども指導も。

一般の方には、いきなり雀鬼会ルールは難しいので、 通常の麻雀と同じような制約の少ないルールで 打って貰いました。 今後は、通常営業でも一般ルールを採用していきますので、 雀鬼会ルールを知らない人も、遊びに来て欲しいです。
一般参加の方のほとんどが遠方よりの参加で、 中には麻雀がほとんど初めてという方もいましたが、 みんな素直で気持ちの良い方でしたね。
イベントは、七時間くらいで、 自己紹介に始まって、麻雀。 それ以外にも、会長への質問コーナー、 雀鬼会トップクラスの模範対局などもあり、 最後は会長との写真撮影・サインなどで終了しました。
麻雀を打ってるときは一生懸命でしたが、 それ以外は、終止笑いがあり、 なごやかな雰囲気の中で僕らも楽しんで過ごせましたね。 (お腹は空いたけど…) 来てくれた皆さんも楽しんでいただけたでしょうか? 短い時間だったけど、少しでも気持ちの良いものを 持って返ってもらえてたら嬉しいですね。 早速、メールも頂いているので、 参加者の方の感想はVOICEのコーナーをご覧下さい。 ぜひまた遊びに来てくださいねー。 ありがとうございましたm(_ _)m
で、明日3月21日(祝)は、引き続き下北沢道場
「一般の方と雀鬼・雀鬼会の交流イベント」
を、14:00より開催します。 暖かくなって来たし、 ちょっとしたピクニック気分で雀鬼流(笑)。 なんてどーですか? もちろん会長も来ます。 東京在住、近郊の方、この機会を逃さずに、 来てください。 生雀鬼と生雀鬼流に触れ、 生き生きしてみてくださいな(笑)。 でもって、「このノリなら行けそう」と思ったら、 ついでに選手を目指すも良し、 常連やたまに顔を出す仲間として、 道場やイベントに顔を出すも良し。 きっと、良い刺激になりますよ。 何よりも、明るくて楽しいから。
とにかく明日は下北沢道場に集合です。 麻雀はできなくても、いいっすよ、この際(笑)。
                安田潤司


どうですか、この笑顔。

■2006年3月17日(金) Vol.72

何時もは、町田道場で原稿を書いちゃ、 下北道場の安田選手部長殿に送っているのだが、 今日は下北で書いていて、 そばで安田がお弟子さんと麻雀を打っている。 何んか、いたずら書きをしているのが バレてしまうようで、変です。
町田から下北へ ちょいと離れたところから出す時は、 俺から安田あてのラブレターのような気分になれるんだけど、 目の前に安田の姿が見れると、一瞬に、
「百年の恋もさめる」
WBCのことについて書こおかな。
アメリカという国は、正義を旗じるしにして大国になった。 自国に逆らう国が起きれば、
「ならずもの国家」
と名差して、つぶしにかかったり、 正しい戦争を仕掛けて来て、体格同様に肥えている。 アメリカもそうだが、日本という国も、 豊かさのある国という仮面をかぶっているが、 本質は、
「肥えている国」
といった方が適切であろう。 野球というスポーツを楽しむというより、 その本質をながめている方がおもしろい。
スポーツマンというより、 野武士の臭いをただよわせる王監督とイチロー選手。 米国の国技でもあり、世界最強の選手達が揃う。 大リーガーが作る米国チーム。
ホリエモンくんは、
「金さえあれば全て手に入る」
とおっしゃった。
大リーガーの選手達の年棒はでっかい、 米国チームが百万石の大名なら、 日本は野武士軍団。 聖戦なら、野武士軍団など秒殺ものだろう。 百万石の大名の上に、 米国にはキリストという神様がついてらっしゃる。 大統領さえ、その神様のお力や宗教団体様の力で、 その席に座られてもいる。
神という正義を信じながらも、 WBCの二次予選では、 百万石の大名様が日本戦での疑審にすくわれ、 キューバ戦でも、 明らかな相手側のホームランを助けに現われてくれたが、 神の力がバックにあったはずの百万石大名が、 まさかの二次予選敗退の憂き目にあう。
神は正義なのか? どうだか分からないが、 王監督率いる、野武士軍団が勝ち上ってしまった。
ホリエモン殿 金で全てが手に入るって、 やっぱし嘘なんでしょうかね(笑) それとも、例え身内とはいえ、ずる賢い、 どんな手段を取っても勝てばいいという米国チームを、 許さなかったんでしょうかね(笑)
日本のプロ野球にも、 人気ばっかし、マスコミが煽って作り上げた、 とてつもない高額年棒選手が、 でくの坊のように、バッターボックスにつっ立っている。 彼等は高額年棒のくせに、王監督の元に馳せ参じない。 国家意識が希薄なのか、元々力がないのか、 WBCへ出ても 何も得にならないぞと算盤をはじいた結果なのか、 男が集ってやるゲームの割には、 潔さとか男らしさを感じられない。
王監督を思えば、日本球界のトップも、 現場の指揮を取るリーダー達は、恥を知るべきであろう。 スポーツ、スポーツといっても、 全ての目標が、金のためなら動く、働くだけでは、 スポーツを売る立場として、卑しかないだろうか。
王監督とイチローの様相は、 公式戦以上の真剣味を感じ取り、 王監督という日本最強の野球人が頭を下げても、 そこへ参人出来なかった者達はまこと情けない。 国の応援も球界の力ぞえも少々の中、 王監督もイチローも、 必死に、チーム作りをしている。
アメリカという個人主義が、 韓国の家族的感覚と、 日本の王監督が作った仲間感覚に、 もろくも敗れ去った。 確かにアメリカ代表の選手達は、個人的にはすぐれていようが、 野球というチームプレーを見落とした敗北でもあろう。
韓国、日本の活躍と伴に、 シロウトチームで作られたキューバが勝ちあがれば、 金を多く取れるプロ集団という存在価値を、 改たに思い直す良い機会かも知れない。
金権政治が腐敗の構図を作り出すごとき、 スポーツ界も「金が夢」が全てでは 情けないかぎりである。
                   雀鬼




 

■2006年3月15日(水) Vol.71 

どうせ眠くはないんだからと、早朝6時から始まった (WBC)ワールドベースボールクラシックを見始めた。 一年を通して今やほとんど見ることない野球が、 子供の頃は、はらっぱや空地を見つけちゃ、 日が暮れるまで野球をやった思い出がある。
先日東京ドームで行われた 日本対中国戦のアジア予選を見に行った。 見たといっても、ライトを守るイチロー選手だけを、 見に行ったに過ぎない。 彼の身体からかもし出す動きを全て見ていた。 他の選手達との違いをしっかりと確認出来た。 野球はチーム戦だから、彼一人じゃ決して勝てないことだから、 勝負の結果はどうでも良かった。
アジア予選は負ける要素もなく、 日本チームはその朝アメリカ戦を行う。 アメリカは世界最強と言われる大リーガーのスター選手が並ぶ。 日本史上最強の王監督は、 世界最高の機動力を見せるイチロー選手と伴に、 頭2つ体2つでっかいアメリカ代表にいどむ。
初回いきなりイチローが先頭バッターホームランを打ち、 選手全員に、続いて来いよとグランドを一周。 先制の一点は王監督の望むところだが、 俺は何か過ぎたものを感じ取った。 先頭のイチローが2塁打を打った上で、 次に続く選手が、どうにか返す一点から始まれば、 その後も好機が生きるような気がした。
その後、日本チームの機動力で3−0まで行ったが、 後半で並ばれ、最終回で逆転されて敗れていたが、 途中の主審による疑審により、 日本の勝ち越し点はまぼろしに終った。 審判は絶対と言われるが、 あれは完全に日本側にとっての勝ち越し点であり、 最強の大リーガーと五分以上に試合を進めていた試合に 汚さとおもしろかねぇという気持ちにさせられた。
勝負とは力や技だけではない。 不運もある。 その不運をたった一人の審判のために作られてしまった 日本勢だったが、 王監督はその不運を乗り越えて再々に立ち上り、 日本人らしい男らしさを持って、戦って、敗れた。 が、あの試合は日本が押し返した分 王監督は野球では敗けていた。 が、勝負では勝っていた。
野球にはそれほど興味がない俺だが、今回のWBCには、 イチロー選手と王監督の無念の先にある結果を、 二人の勝負師の姿として、 もう少しだけ注目して見て見たい気持である。
                    雀鬼


というわけで、 昨日も会長は2本の原稿を書いてくれました。 なんか日常のちょっとした事も 会長ならではの気付き、視点で語ってくださるんで 僕はアップしながらも、一ファンとして 楽しんで読ませていただいてます。
さて、3/19(日)に町田道場でイベントを開くことは すでに報告しましたが、急遽下北沢道場でも開催する事が 決定しました。
3月21日(火・祝日)pm2:00〜「牌の音」下北沢道場 「一般の方と雀鬼流の交流会」
ついに下北沢でも開催! 東京近郊の雀鬼流ファンはこの日を逃すなぁーー!

と、それっぽく煽ってみました(笑)。
内容は基本的に3/19のイベント(Vol.69参照)と 同じような形になると思われますが未定です(笑)。 来た人とその場のノリで内容は変化します。 マニュアルはねえんです、いつも。 僕らは気持ちと受け入れ体制の準備だけしっかり創って来て、 後は当日「来た球を打つ」だけです。 もちろん楽しんで意味のある時間になると思いますので ぜひ遊びに来てくださいな。
更に続いて、今期のJr選手を決める 「雀鬼会Jr予選」の日程が決定しました。
「雀鬼会Jrリーグ予選 3/26(日)町田道場にてpm5:00スタート」
もちろん桜井会長もお見えになりますし、 一般の方の見学も可能です。 3/19.21は楽しんで雀鬼流に触れ、 3/26は厳しい雀鬼流。 (終った後は当然、笑顔ありです)
この機会にぜひ「牌の音」に足を運んでみてくださいませ。
                   安田潤司


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